Vol.224 / 2024.9

「初演・再演関係なく、全員で一緒に取り組みたい」
セバスチャン・ミカエリス役・立石俊樹さん、葬儀屋役・上田堪大さんスペシャルインタビュー

ミュージカル「黒執事」〜寄宿学校の秘密 2024〜に出演される立石俊樹さん、上田堪大さんに上演が発表されてからの反響や、再演にあたっての思い、それぞれが演じるキャラクターについて伺いました。

上演が発表されてからの反響はいかがでしたか？

上田：初演がコロナ禍だったこともあり、行きたくても行けなかった方からの反応や、もちろんまた観に行けるんだ、という方、（ミュージカル化を）初めて知った、という方などさまざまなお声をいただきました。再演が決定したということを、皆さまの反応からより嬉しく感じました！

立石：僕たちと同じか、それ以上に喜んでくださっているメッセージをたくさんいただきました。アニメの最終話が放送された直後に発表されましたが、夜中にもかかわらずSNSでファンの皆さまがとても盛り上がってくださっていて、凄いことだなと思いますね。

再演から新たに出演されるキャストの方も多くいらっしゃいます。新キャストの皆さまに向けて、ミュージカル「黒執事」の“先輩”であるお二人から何かアドバイスやメッセージをお願いします。

上田：シンプルに初演だから、再演だからというのは変に考えないで、まずは『黒執事』という作品がどんな世界観なのか知って、各々が演じる役を自分の思うように演じてもらえればいいんじゃないかな、と思います。 そして大人になってから学園生活を感じられるというか、一種の部活動みたいな稽古場です。ダンスや歌が激しく、分量が多いので…。僕はそれを後ろから見ています。笑

立石：堪大さんもおっしゃっていたように、初演・再演関係なく、各々が『黒執事』を知って、個性豊かなキャラクター達を自由に表現すればいいのかなと思います。それを（演出の松崎）史也さんが引き算したり、整えたりしてくださると思うので、思いっきり自由に表現して楽しんでもらえれば、新たに「2024」として上演する意味があるのかなと思います。
僕たちも一回白紙に戻して演じる気持ちなので、一緒に作品を作り上げていきたいです！

お二人がそれぞれのキャラクターを演じていて楽しいと思うところはありますか？

上田：あまり演じることのないタイプのキャラクターで、僕に葬儀屋のイメージを持たれてない方も多くいらっしゃるのかな？ と思いますが、とても楽しく演じています！ ほかのキャラクターとは立場や見ている角度が少し違うので、それを自分だけが感じることができるのも楽しいですね。

立石：セバスチャンは完璧のように見えて、コミカルな瞬間も描かれていますが、正直な話、前回は（プレッシャーが勝って）楽しみ切れていなかったと思います。笑
意気込みの意味も込めて、そういった部分も今回は楽しめそうです！
そしてセバスチャンは人間たちの醜いところや汚いところ、逆に美しさも理解している存在だと思うので、そういった人間たちのさまざまな部分を全部見ることができるのも楽しいですね。

上田さんは立石さん演じるセバスチャンの、立石さんは上田さん演じる葬儀屋の好きなところやおすすめポイントはありますか？

立石：登場した瞬間の存在感がまずすごいですよね。とにかく振り切れた姿から、なんでそこまで？ と思うほどにシエルに対して欲望を露わにする姿のギャップに惹きつけられます。すごくふざけている人だなと思ったら、何かを執拗に追い求めているキャラクターでもあって、その切り替えがギャップを感じて好きですね。

上田：もっと頂戴？

立石：笑。それが声量や表現にも表れていて、大きいけれど繊細で鋭いようなイメージです。

上田：ありがたいですね！ 存在感を出さなければいけない役なので。
としはね、目です！ （髪型的に）僕はなかなか見ることが出来ないんですけれども。笑
稽古の時に一番印象に残っているのが目の切り替わりでした。先生から悪魔や執事に変わった瞬間、目の変化がスイッチのごとく変わっているのが僕の中で印象に残っています。これって些細な変化で、舞台上の僕たちだけしか感じることができない瞬間もあったかもしれませんが、素敵でした。（目を覆いながら）今回はどんな目をするのか…？

立石：なかなか見られないですよね。笑
当時は我ながら頑張って、心から切り替えていくという意識をして演じていました。

寄宿学校が舞台となる本作ですが、印象的なクリケットの試合のシーンが出てきます。お二人は学生時代の、例えばスポーツ大会や部活動での思い出はありますか？

立石：僕は水泳部で、中学1年生の時、大会前夜に畳の部屋にみんなで布団を敷いて寝ていたんですが、消灯後も僕と先輩はゲームをしていて。そうしたら先生が見回りに来たので、急いで布団に隠したんですよ。当然、何を隠したんだと聞かれたので、僕はもう正直に言おう…と思っていたら、先輩が「これを見ていました」と布団の上にキーケースを出して…。

上田：え、キーケース！？笑

立石：キーケース。笑　二人で鍵を見てました、って言うんです。

ちょっと無理が…。

立石：そうなんですよ！ でも先生が「キーケースか…。」と納得してくれて、その場を乗り切ったという思い出です。笑

上田：逆に先生どうしたの！？

立石：その先輩が後輩としてはちょっと怒らせると怖いような、いつも真面目な人だったので、先生もそういう人が頑張って「キーケースです」と言い張っていたから怒れなかったのかなと思います。笑

上田：僕は小中学校野球部でしたが、ありがたいことに中学1年生で新しいチームに入ってすぐにレギュラーで、キャプテンになったんです。それで野球部と言ったら坊主のイメージがあるじゃないですか。ルールとして坊主にしないといけない訳ではありませんでしたが、気合い入れようと思って坊主にしたんですよ。でも誰も一緒に坊主にしてくれなかった。笑

立石：ええ！笑

上田：坊主を嫌がる同級生たちばっかりで。

立石：みんな坊主だったら分かりますけど…しなくてもいいのにしたんですよね？

坊主は継続されましたか？

上田：いや、すぐ伸ばしました。笑　坊主って髪の毛がないので汗が垂れ流しになって大変なんです！

立石：そういえば、僕も中学の頃に坊主にしたことを思い出しました！

上田：本当！？

立石：僕は（水泳で）県大会止まりだったんですが、友達に「もし東北大会に出られたら坊主にしろよ」と言われて。そして東北大会に無事進むことができたので、気合いを入れて坊主にしました。
ただ、野球部とは違って大会が夏休み中の1日だけだったので、夏休み明けは事情を知らない友達に「どうしたの？」と驚かれました。笑

上田：ちなみにその友達は坊主にしたの？

立石：いや、してないです。

上田：なんでだよ！笑　やっぱりみんな坊主にはしたくないんだ。笑

立石：思わぬところで共通点がありましたね！

取材中は笑いが絶えず、そしてまさかの坊主エピソードで盛り上がる姿からはお二人の仲の良さが伺えました。
上田さん、立石さんはそれぞれ意気込みとして「熱い作品をお届け出来るように頑張ります」、「期待を胸に、ワクワクしながらご来場ください！」とコメント。約3年半ぶりの再演となる本作に、ぜひご期待ください！